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テポドン発射準備について

 先月より北朝鮮の長距離弾道弾テポドン2号の発射準備をめぐるニュースが続いております。議会開会中のため、この件についてはコメントする機会がありませんでしたが、本日掲載致します。

◆テポドン2号について
 発射について北朝鮮は人工衛星と主張しております。その主張によれば、打ち上げに使用するロケットブースターは「銀河2号」、そこから射出される人工衛星が「光明星2号」とそれぞれ命名されているとのことです。因みに光明星とは、北朝鮮の文書で金正日を称える時に使用される名称です。またテポドンは日米初め西側が付けたコードネームであり、漢字表記では大浦洞となります。
 通信衛星(人工衛星)といっても、北朝鮮国内にそのための通信関連設備が整備されているとの情報はなく、この主張は偽装だと考えられます。
 発射施設が存在するのは、北朝鮮北部に在る、咸鏡北道花台郡舞水端里(ハムギョンプクド ファデグン ムスダンリ)。前回、3年前の夏の時もこの施設から発射されました。
 北朝鮮が国際海事機関に通告したところでは、弾道弾ト一段目の落下予想地点が秋田県沖130キロの日本海上、二段目の落下予想地点が銚子沖2150キロの太平洋上とのことです。

◆国連決議について
 発射は来月上旬と予想されていますが、その場合は、国連安全保障決議第1718号違反との認識で日米韓三国政府は足並みを揃えております。コリアレポートの辺真一氏によれば、2006年10月の北朝鮮が実験直後に採択されたのが、国連安保理決議第1718号で、「北朝鮮が弾道ミサイル計画に関連するすべての活動を停止し、ミサイル発射モラトリアムに係る既存の約束を再度確認することを決定する」と明記されています。具体的には、北朝鮮に対して①核実験または弾道ミサイルの発射を行わない。②すべてのその他の大量破壊兵器と弾道ミサイル計画を完全で検証可能かつ不可逆な方法で放棄することを要求しています。

◆日本の対応について
 政府は、万が一日本国内に落下した場合に備え、本日召集の安全保障会議の議決を経て、テポドンに対する破壊措置命令を自衛隊に発令しました。これは自衛隊法第82条の2に基づくものです。
 具体的には、まず第一次措置として海上自衛隊のイージス艦から迎撃ミサイルSM3を打ち上げ撃墜を試みます。これが外れた場合、第二次措置として陸上自衛隊に配備されている地対空ミサイル「パトリオット」を発射します。よくテレビで報道されるPAC3とは、このパトリオットの最新バージョンです。
 このため海上自衛隊佐世保基地を母港とするイージス艦「こんごう」と「ちょうかい」が日本海に、同横須賀基地を母校とする「きりしま」が太平洋に向けて出港しました。またパトリオットを装備する航空自衛隊高射部隊が、市ヶ谷、入間各基地、陸上自衛隊の習志野駐屯地、及び秋田、岩手両県内に在る演習場に展開し、首都圏と弾道弾が上空を通過する予定の東北地方を中心に迎撃態勢を取りました。
 最近政府高官の話として、「飛んでくるピストルの弾をピストルで撃ち落とすようなもの。当たるわけがない。」との」趣旨の話が報道されています。軍事アナリストの小川和久氏によれば、「それは20年前、アメリカ軍で言われていたことであり、 今は技術が格段に進歩している。」とのことです。
 無論日本の迎撃態勢も万全とは言い切れません。軍事評論家の岡部いさく氏によれば、SM3には弾道弾識別機能が在り、あらかじめ形状などをインプットされた標的に向けて飛んで行く能力が在るのですが、テポドンのブースターや衛星の切り離しが不十分で、外観が異なる状態で飛来した場合は、識別機能が働かず外してしまう可能性もあるようです。

◆港区の対応について
 国民保護施策を所管する港区議会区民文教常任委員会で、全国瞬時警報システムJ-ALERTの運用開始について報告が行われました
 J-ALERTは、地震、津波、ミサイル飛来に対処するための情報を、総務省から人工衛星経由で送信されるシステムです。私が議員就任後、導入に向け取り組んできたシステムで、20年度に1,993万円の予算が計上されました。この度整備が終了し4月から運用を開始します。
 万万が一港区に飛来する恐れが在る場合には、総務省から受信されたミサイル情報は、防災無線を通じて区内に放送されます。

◆テポドン2号の性能について
 性能については様々な情報が在りますが、射程距離は6000キロで、アメリカのアラスカ州の一部、グアムも射程に入ります。 3年前の打ち上げでは、発射直後に炎上し、日本海に落下したと言われています。しかしだからといって侮れません。理由は二つ在ります。
 まず全体主義国家が、国の威信をかけて発射するものですから、前回の失敗を教訓に精度を向上させている可能性が在ります。
 もう一つ、これはあまり公表されていませんが、北朝鮮に拉致された可能性が在る日本人男性が、テポドンの開発に協力を強制されているのではないかとの情報が在ります。事情により被害者名や技術の詳細は伏せさせて頂きますが、10年前に三陸沖にテポドン1号が落下した時、日本国内の技術者の間で、「彼の技術なくしてあのミサイルの飛来はあり得ない」と語られていました。

◆まとめ
 以上は私の知り得る情報であります。
 テポドン2号の飛行高度は3000キロですので、予定通りの飛び方をすれば、日本国内に落下する恐れはありません。
 今回の発射を通じて、北朝鮮からのメッセージを、私なりに読み解きますと以下のとおりです。
 まず皆様もご存じのとおり、北朝鮮内では各勢力による権力闘争が行われておりますが、どの勢力が実権を掌握したとしても、対外的に強硬な姿勢を示さなければ体制を維持出来ないことです。
 そして今回のテポドン2号の飛ばし方です。一段目を秋田県沖130キロという日本の鼻先に落とし、二段目はハワイより遥か手前の太平洋上に落とすというものです。北朝鮮が求める国交正常化交渉が膠着している日本には恫喝を、一方核開発や経済支援について米オバマ政権とは交渉の用意があるとの意思表示かと思います。
 米国が北朝鮮に対し、今後どのように臨もうとしているのか、日米同盟の在り方が問われてきます。
 もう一つ気になるのが、ピョンヤン放送に最近朝鮮人民軍総参謀部のスポークスマンが登場し、「迎撃は宣戦布告と見なす」と発表していることです。彼らが何を企んでいるのか分かりませんが、弾道弾攻撃などの直接侵略だけでなく、テロ活動などの間接侵略に対する備えも必要かと思います。不安を煽る気は毛頭在りませんが、我が港区には、大型の商業・ビジネス・住居施設や繁華街が存在します。これらの運営に当たられる皆さんには、昨年の洞爺湖サミット前に取り組まれたテロ対策を今一度思い起こして頂きますようお願いします。

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